急に2016年のドラマをレビューするしアフィリエイトも付けちゃおうと思ったが失敗した~ドラマ「ちかえもん」~

前回、私は次に書くものの予告をした。

でも別のものが先にでちゃったので、それは先送りする。

 

近年、テレビを真面目に見ていない。
昔は毎週楽しみにしていた番組などがあった気もするが、それは家族と一緒に見て笑いあったりつっこんだりしていたから楽しく見られたのかもしれない。
一人暮らしとなると毎週その曜日、その時間になったらテレビを見るという習慣がなくなった。
なんならテレビってちょっとうるさいなどと思う事もある。
ただつけていないと時間の経過に気づきにくく、無音の部屋で気がつけば夜中になっていたなんて事もあるので、音量3くらいでつけてはいる。


そんな風にテレビとは距離のある付き合い方をしているのだが、ここ数年の間に一つだけ、毎週その曜日に早く帰ってテレビをつけて待つなどという殊勝な事を私にさせた番組があった。
NHK木曜時代劇「ちかえもん」である。
時代劇とは言うものの、江戸の話なのに昭和のヒット曲の替え歌やアニメーションなどが入る。人のリアクションなども現代人的だ(というか大人計画的か?)。かなりコミカルなドラマである。


この「ちかえもん」というのは、松尾スズキ扮する主人公の近松門左衛門のことだ。
かつては人形浄瑠璃で大ヒットをとばしブイブイ言わせていた近松がスランプに陥っていた時に現れた不思議な男、万吉につけられたあだ名が「ちかえもん」だ。
近松はこの頃老人であるのだが、全く褒めて貰えなくなってスネていた。結構面倒な性格をしているのだが、そこが不思議とかわいい。「ちかえもん」と名を縮めて呼ばれた時もリアクションとしては怒っていたが、(かわいく呼んで貰えてうれしいかも…)とモノローグが入る。
そんな近松の前に現れた万吉の不思議と人を巻き込む力に見事に巻き込まれ、振り回されながら物語は進む。


万吉は「不孝糖売り」だ。
この時代は将軍が孝行者に褒美をよこすなどしていたため、世はまさに大「孝行」ブーム。
江戸の町人はすぐにそういったものにあやかるため、「親孝行に育つ『孝行糖』ですよ」などと、町中で菓子を売り歩く者が多発していた。
反して万吉は親不孝を推奨して「不孝糖」を売る。逆張り野郎である。逆張り野郎だが、性格は天真爛漫だ。
ちなみに万吉の不孝糖を売る際の歌·口上は一度耳にするとオノデンボーヤの歌くらいのイヤーワーム性がある。


このドラマの筋は近松門左衛門の画期的大ヒット浄瑠璃、世話物である「曽根崎心中」がベースになっている。
曽根崎心中は悲劇だ。かなり乱暴に言うとロミオとジュリエットに似ている。
しかし不思議で天真爛漫な不孝糖売り万吉とそれに振り回されるめんどくさいジジイ近松のコンビによるてんやわんや。

更にその他登場人物もかなりツッコミどころ満点で魅力も満点。

それらにより悲劇であるはずの曽根崎心中ベースの話が全体的にポップなコメディになっている。


それでいて、「孝行って実のとこなんなん?」と問う内容にもなっている。
「孝行しなきゃ、孝行しなきゃ」と孝行に精を出した結果、自分らしさを失うのは孝行なのか?

孝行のために自分が不幸になるのは本当に孝行なのか?

かと言って孝行を全く意識せず生きるのは、それはそれで孝行ではない。
孝行という概念自体に「お前はなんなんだ?」と問うている。
 
この作品は単純なコメディドラマとしても楽しく、江戸の文化·考え方を学ぶきっかけにもなり、人形浄瑠璃(文楽)への興味がわき、物語の考察の余地もたっぷりとある、人情に癒やされる、良いところが盛りだくさんなものだ。


そして劇中の不孝糖売りと年増遊女は劇中では全くそんなことはなかったのだが、リアルに俳優と女優の夫婦として結婚した。

 

 

ここにちかえもんのDVDのAmazon商品ページを貼りたかったが、Amazonアソシエイトの審査に「記事足りなすぎ、出直せ」と言われたのでなくなりました。

のちのち認められたら貼ります。